仏の遊び

モテモテ阿弥陀はうたって踊って手相も見ます。（落語随談付き）

【あらすじ】
酔いから醒めたなまぐさ坊主が、必死にお布施を探します。お布施で吉原へくり出そうというからひどい破戒僧もあったもの。やっと見つけたお布施ですが、ふんどしにくるんで、こともあろうにご本尊の阿弥陀さまの頭の上にありました。これで吉原へ行けると喜ぶ坊主に、阿弥陀さまが口を開きます。「たまにはオレも連れていけ」。断る坊主でしたが、阿弥陀さまに連れて行かないと寺を出て行くとまで言われ、しかたなくふたりで吉原へとくり出します。ところがこの阿弥陀さまがとんだ遊び人で、踊りは踊る、手相は見るで女の子にモテまくり、すっかり坊主の影が薄くなってしまいます。

【聴きどころ】
酒は飲む、女郎は買う、刺し身は食うというなまぐさ坊主を叱りつける威厳ある阿弥陀さま。しかしいざ吉原へくり出してみれば、立場はがらっと入れ替わります。天女相手に遊びなれた阿弥陀さまはたいそうなモテぶりを発揮して、しかもずいぶん軽いキャラへと大変身。対する坊主はすっかり振られて意気消沈。なまぐさ坊主の上を行くことで、阿弥陀さまのスケールの大きい遊び人ぶりが際立っています。

【もうひとこと】
マクラで喜多八師も触れているように、本話は本田久作氏の出世作にして大傑作たる新作落語です。本コンテンツには原作者の随談（解説）も収録されています。また本田氏は『月刊ラジオデイズ』で「明烏い話」という落語のエッセイも書いておりますので、そちらの方もぜひおたのしみ下さい。

[収録：2007年8月14日　文鳥舎（東京・三鷹）]

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