河童

郷愁誘う、河童の鳴き声

【あらすじ】
今回、まねき猫さんはなんと「河童」の鳴き声を披露。しかし、単に「河童の鳴き声をやる」のではなく、まずは河童がどんな動物に似ているか、というところから始まります。口はアヒルのくちばしに似ているし、二本足で立っているところは猿に近い……と“生物学的に分析”し、河童の生態に近づいていきます。ハイライトは「山寺の裏手で、河童の鳴き声におびえる犬と猫」。リアルな情景描写で場内を沸かせます。

【聴きどころ】
まねき猫さんは巧みなストーリー・テラーです。誰も見たことのない河童。その声を披露するというので、へんてこな奇妙な声で場内をわかすのかと思いきや、「似ている動物の鳴き声」でだんだんと河童のイメージを作っていき、「山寺の裏手」では小川のせせらぎまで描写して田舎の静寂を表現。過去の日本にはひょっとするといたかもしれない、優しげな河童の鳴き声は、なぜか郷愁を誘われ、まねき猫さんに説得されてしまいます。

【もうひと言】
まねき猫さんはいわずと知れた三代目猫八師匠の娘さんで、四代目猫八師匠の妹さん。鳴き真似だけでなく、物語性を持たせたことで個性のある芸風になっています。大らかなルックスと柔らかくて落ち着いた口調が観客の気持ちを明るくし、福を運んできそうな、まさに「招き猫」のような芸人さんです。

［収録：2010年11月13日　フジテレビ・シアターモール内マルチシアター（東京・台場）］

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