古典落語
青菜
価格:¥733
暑い季節には暑い噺を(落語随談付き)
【あらすじ】
お屋敷の庭の手入れが一段落して、旦那は植木屋に縁側で酒をご馳走。おひたしを出すよう奥方に言うと、次の間の襖を開けて「旦那様、鞍馬山から牛若丸が出でましてその名を九郎判官」、これを聞いて旦那は「じゃあ義経にしておきな」。この会話、実は「菜を食べてしまいました」「それならよしておこう」という洒落、客に聞かれても大丈夫な内緒話というわけ。これがすっかり気に入った植木屋、真似したくて仕方がない。長屋に戻ると女房を次の間ならぬ戸棚に押し込んで友達を呼び入れた。
【聴きどころ】
夏の噺の定番の一つ。鯉昇師はマクラで季節の話題をクスグリたっぷりに聴かせ、素直に本筋に連れていってくれます。噺の前半、お屋敷の涼しさが後半の長屋の暑苦しさをことさら印象づけます。その極めつけは戸棚でじっと出番を待つ汗みどろの女房。観客は逆療法で涼しくなる仕掛けです。教わったことを真似して失敗する主人公とは、教養はないものの向上心に富んでいるからこそ失敗するタイプ。利発者でも間抜けでもないお人好しをどう演じるかが力の見せ所です。
【もうひとこと】
落語ファンが季節感を感じる台詞はいくつもありますが、「植木屋さん、たいそうご精が出ますなあ」もその一つ。思わず口をついて出ても、噺を知らないと何を言ってるのかわかりません。通じると「ああ、この人も知ってるんだな」と親しみを感じます。
[収録:2007年9月27日 睦会]
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プロフィール
瀧川鯉昇
1975年、春風亭小柳枝に入門し「柳若」となる。77年に春風亭柳昇門下となり、80年に二つ目昇進、「愛嬌」と名乗る。90年の真打昇進を機に名を「鯉昇」とし、05年「春風亭鯉昇」から「瀧川鯉昇」へ改名した。ゆったりとした独特の間に、豊かな表情ときめ細かな仕草を加えた落語で、観る者を江戸へと誘う。得意ネタに「味噌倉」「船徳」「宿屋の富」「茶の湯」「うなぎ屋」など。時にネタよりも長くなる枕は、時事の話題を独自の切り口で飄々と語って観客を魅了する。本名・山下秀雄、1953年、静岡県生まれ。落語芸術協会所属。明治大学農学部卒業。
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このアーティストの作品(全35件)
試聴 | タイトル | 出演者名 | 価格 |
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粗忽の釘 |
瀧川鯉昇 | ¥733 | |
佃祭 |
瀧川鯉昇 | ¥733 | |
鯉昇の昼寝まくら 其の十八 -合掌のとき- |
瀧川鯉昇 | ¥367 | |
鯉昇の昼寝まくら 其の十七 -噺家の年輪- |
瀧川鯉昇 | ¥367 | |
鯉昇の昼寝まくら 其の十六 -生きとし生ける- |
瀧川鯉昇 | ¥367 |
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