古典落語
火焔太鼓
価格:¥733
志ん生に聞かせたい「火焔太鼓」
【あらすじ】
古道具屋の甚兵衛さんは、商売が下手だといつも女房から文句を言われています。その甚兵衛さんが今日は古ぼけた太鼓を市から買ってきました。そんな太鼓は売れるはずはない、とまたぞろ女房から文句を言われていると、お侍がやって来て、その太鼓を買いたいと言い出します。話を聞くと、このお侍が仕えているお殿様がこの太鼓を所望しているとのこと。期待半分で甚兵衛さんはこのお殿様のお屋敷へ太鼓を売りに出かけると……。
【聴きどころ】
『火焔太鼓』はあの古今亭志ん生が練りに練った爆笑落語として有名な一席です。そのためあまりにも噺の完成度が高く、志ん生以外の噺家は志ん生が作った以上のくすぐりをこの噺の中に一つとして織り込むことができませんでした。白鳥師はそうした現状を逆手に取り、この演目から既存の志ん生のギャグをすべて抜き取った上で、新たに自作のくすぐりをぶち込み、笑い沢山の一席に仕上げています。「『火焔太鼓』なら志ん生のを聞いたことがあるから、他の噺家のものは聞く必要がない」と言う人ほど聞く必要のある一席です。
【もうひと言】
白鳥師の落語はくすぐりがあまりにも飛びすぎているため、内容もいい加減だと思う人がいるかもしれませんが、実際には非常にきちんとした時代考証も行っています。「五百文ていえば一分の半分じゃないか(四貫相場の場合、一両は四千文だから、一分は千文となる)」という台詞をはじめとして、火焔太鼓の謂われまで出てくるところに注目して下さい。
[収録:2009年8月22日 池袋演芸場(東京)]
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プロフィール
三遊亭白鳥
本名は藤田英明。1963年生まれ、新潟県上越市出身。出囃子は「白鳥の湖」。日本大学芸術学部卒後、1987年、三遊亭円丈に入門、前座名は「にいがた」。1990年、二つ目に昇進し「新潟」に改名。2001年、真打昇進し、三遊亭白鳥となる。「アジアそば」「任侠流山動物園」などの新作落語の他に、「メルヘンもう半分」「白鳥版火焔太鼓・火炎太鼓」「ハイパー初天神」などの自称『白鳥古典』にも磨きをかけている。2004年には、春風亭昇太らとSWA(創作話芸アソシエーション)を旗揚げした。背番号は『2』。
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