チャルメラの恋

クリスマスの夜には奇跡が起きる

【あらすじ】
かつて博打打ち仲間であったタグチさんとヤマちゃん。タグチさんは相変わらずの博打三昧の日々を送っていますが、ヤマちゃんは今では足を洗って堅気になり、屋台のラーメン屋の主人におさまっています。クリスマスの夜、ヤマちゃんの屋台を舞台にタグチさんをはじめとする個性豊かな人たちが珍騒動を起こしていると、最後には思いもかけないハッピーエンドが……。

【聴きどころ】
噺の中に登場する天文少年のモデルは、おそらく小ゑん師匠ご本人でしょう。大人が「土星のワッカ」と言うのに対して、いちいち「ワッカではなく輪です」とたしなめるところなど、後年の天文マニア小ゑん師を彷彿とさせます。また、さらりと聞き流されてしまう場面かもしれませんが、タグチさんがチャーシューを盗み食いする時に「今の内、チャーシューを二、三枚」と言う際の台詞の呼吸には、小ゑん師匠の師匠に当たる五代目柳家小さんの匂いが漂います。こういうところも小ゑん落語の魅力の一つと言えるでしょう。

【もうひと言】
噺の中で小ゑん師匠が「トッピング」という言葉を出すと、それだけでお客さんが爆笑しています。けれども本作を聴いただけでは、この笑いの意味はわかりません。この謎を解きたい方は、ラジオデイズで販売中の三遊亭円丈師の『なんばん』をお聞き下さい。（この日、小ゑん師の出番は円丈師の『なんばん』の後でした。）

[収録：2007年12月10日　お江戸日本橋亭「無限落語の会」（東京・三越前）]

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