ランゴランゴ

寄席の国際化ももうすぐに！？（解説付き）

【あらすじ】
ある寄席の支配人のところに、同級生の男が訪ねてきます。彼がいうには、勤めている会社が創立十周年を迎え、落語好きの社長がぜひとも余興に噺家を呼びたいと言い出した。ついてはギャラ三千円で来てくれる人気の真打ちを紹介して欲しいという頼み。今どき前座だって一万円はかかるとあきれる支配人に必死に頼み込む男。困った支配人はひとりだけ七千円で行く前座がいると持ちかけます。なんとアフガニスタン出身で、つい三ヶ月前までは工事現場で働いていたというその前座を呼び出しますが、ヒゲをはやして頭にターバンを巻いてなおかつ着物姿、手にはコーランといういでたちで登場、「メケメケモコモコ……」と意味不明な「早口言葉」をまくしたてます。

【聴きどころ】
多数の外国人力士が活躍したり、黒人の演歌歌手が人気を得る昨今、寄席でも外国人の噺家たちが活躍する日が来るかもしれません。アフガニスタンやらザイール（現コンゴ）から来ている、外国人噺家たちを円丈師匠がパワフルかつコミカルに演じますが、何ものかが乗りうつったようなでたらめぶり。理屈抜きで笑える新作です。

【もうひと言】
ＰＣ的正しさをも笑い飛ばす、円丈師の快作です。「ランゴランゴ」は「落語」のこと。言葉のおかしさでひたすら進む、ハチャメチャなようでいて、これが正統的な落語の世界かもしれません。

[収録：2009年2月25日　西新宿ハーモニックホール「オリンパス シンクる寄席」（東京）]

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