古典落語
堪忍袋
価格:¥733
言えばすっきり、ののしり合戦。
【あらすじ】
惚れて一緒になった夫婦でも、今ではのべつ幕なしのけんかで長屋の連中には迷惑この上なし。今日も今日とて朝から「この嬶(カカ)ァ出て行けーッ」「出てきゃいいんだろーッ」。仲裁する人がいて「笑う門には福来たる」と道話で諭されると、お互い面と向かって罵らず、袋を縫ってその中に怒鳴り込むことに。できあがった袋に二人で代わる代わる「このオケラ野郎ッ」と吹き込めば気持ちはさっぱり、顔はにっこり。長屋連中も次から次へと吹き込んだのでたちまち袋は満杯、明日は中に溜まった悪口を空けなきゃあふれてしまうというところに酔っぱらいが来て、俺にも貸せとひったくったとたんに緒が切れた……。
【聴きどころ】
「堪忍袋の緒が切れる」場面を導くだけの他愛のない噺とも言えますが、それだけに途中でだれずにぽんぽんとリズムよくたたみかけるように展開しなければなりません。悪口雑言の応酬ですから落語とはいえあまりリアルに演ずると後味が悪くなりますが、ここではなんと言っても金馬の滑舌のよさが小気味よく感じられ、陽気な雰囲気を出しています。
【もうひと言】
夫は夫らしく、妻は妻らしくという今時はあまり聞かない昔の道徳をベースにしていますが、押しつけがましさがなくむしろ生活の知恵といった感もあります。金馬はこういう道学めいた題材をよく噺の中に取り入れています。
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プロフィール
三代目三遊亭金馬
講釈師修行をしていた1913年に初代三遊亭圓歌にスカウトされて噺家に転身。三遊亭歌当、2代目三遊亭歌笑を経て、20年に三遊亭円洲で真打に昇進した。1926年に3代目三遊亭金馬を襲名。落語協会、芸術協会には属さず、フリーとして主に東宝名人会に出演し、多くのレコード吹き込みで人気を博した。NHK準専属などの放送でも活躍。持ちネタは、「目黒のさんま」「居酒屋」「堪忍袋」「孝行糖」などで、老若男女だれでも分かりやすい楷書のような落語と評された。釣り好き、世話好きは有名で、『浮世断語』、『江戸前つり師』などの著書もある。
本名・加藤専太郎、1894年、東京生まれ。1964年没、享年71。
このアーティストの作品(全4件)
試聴 | タイトル | 出演者名 | 価格 |
---|---|---|---|
孝行糖 |
三代目三遊亭金… | ¥733 | |
堪忍袋 |
三代目三遊亭金… | ¥733 | |
薮入り |
三代目三遊亭金… | ¥733 | |
居酒屋 |
三代目三遊亭金… | ¥733 |
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