古典落語
粗忽の釘
価格:¥733
長屋には本当にこんな人がいたのでは? (落語随談付き)
【あらすじ】
あわてものの亭主、引っ越しというので張り切って箪笥をかついで表へ出て行きますが、いつまでたっても引っ越し先にあらわれません。すっかり片づいた頃にへとへとになってやっとたどり着いた亭主に女房がほうきを掛ける釘を打ってくれと頼むと、勢いよく打ち込んだはいいのですが、長い瓦釘が壁を突きぬけてしまいました。隣家にあやまりに行くつもりが、なんと通りを挟んだ向かいの家で「釘は出てませんかね」のトンチンカンぶり。隣家に行っても今度は用件を忘れて「落ち着きゃ俺も一人前なんだから……」と煙草を吸ってくつろぎはじめて、気味悪がられる始末。そのうちやっと釘の一件を思い出しますが……。
【聴きどころ】
なんともそそっかしい亭主です。女房も終始あきれ顔ですが、本人はいたって本気、憎めない人柄です。江戸っ子の職人には本当にこんな粗忽者がいたのではと思わせます。喜多八師匠の切れのいいはなしっぷりが、あわて者で威勢のいい職人を描いて秀逸。落語にはそそっかしい奴、いわゆる「粗忽者」がよく登場しますが、当時の長屋の暮らしぶりが目に浮かんでくるようです。
【もうひと言】
隣家で用件を忘れて自分の女房をのろけ始めて、亭主のだらしない口調で空気が緩んでくるところが喜多八師匠ならではの話しぶりです。
〔収録:2007年5月18日 東京・Again〕
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プロフィール
柳家喜多八
学習院大学卒業後、1977年に柳家小三治に入門、前座名は「小より」。81年に二つ目となり、「小八」に改名、93年に真打昇進、喜多八と改名した。滑稽話から大作まで自在自在に操り、小三治の懐刀とも評される実力派。とぼけた、愛すべき雰囲気が持ち味だが、侍の描写など気品にあふれると評判が高い。とにもかくにも将来を嘱望される逸材の一人である。モットーは「清く、けだるく、美しく」。趣味はサイクリングに墓参、宝塚とバリエーション豊か。
本名・林寛史、1949年、東京都生まれ。落語協会所属。
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このアーティストの作品(全30件)
試聴 | タイトル | 出演者名 | 価格 |
---|---|---|---|
ラブレター |
柳家喜多八 | ¥550 | |
盃の殿様 |
柳家喜多八 | ¥733 | |
鰻の幇間 |
柳家喜多八 | ¥733 | |
百川 |
柳家喜多八 | ¥733 | |
火事息子 |
柳家喜多八 | ¥733 |
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