ぐるんぐるん

寿司ネタが主人公の新作落語

【あらすじ】
江戸前回転寿司なにわ屋へ寿司を食べに行った仲のよい五人家族。寿司が大好きな彼らの会話はどんどん弾んでいきます。しかし、話をしているのは実は彼らだけではありませんでした。回転寿司のベルトコンベアをぐるぐる回っている寿司ネタたちも、寿司ネタならではの会話を繰り広げていたのです。そうしていろんな握り寿司が話をしていると、寿司ネタ仲間の中に新参者の海老フライの握りが入ってきて……。

【聴きどころ】
この噺は５月５日の子供の日に子供向けの企画として収録されたものです。
落語の登場人物といえば八っつぁんに熊さん、与太郎といったところがお馴染みで、人間以外だと狸や狐なども出て来たりしますが、回転寿司の寿司ネタを登場人物に仕立てた落語はおそらくこの噺だけでしょう。寿司ネタでなければ言えないギャグの連続はさすが小ゑん師ならではの緻密さと力業を感じさせます。

【もうひと言】
冒頭で小ゑん師が「(これからやる落語は）自分の落語のパクリ」と言っているのは、この『ぐるんぐるん』の構成が小ゑん師の名作『ぐつぐつ』によく似ているという意味です。『ぐつぐつ』はおでん屋を舞台におでんたちがお喋りを交わすという噺で、『ぐるんぐるん』を聞いた人にはお勧めの一席です。ちなみに『ぐるんぐるん』のラストはこれだけで十分オチとして楽しめますが、『ぐつぐつ』を聞くとさらに面白さが増加します。『ぐるんぐるん』のオチは実は『ぐつぐつ』のオチのパロディでもあるからです。小ゑん師の『ぐつぐつ』の音源はラジオデイズで配信しております。

[収録：2009年5月5日　黒門亭(東京・上野)]
落語協会インターネット落語会2009年5月下席放送
提供 株式会社 タイプ・アール

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