藪椿の陰で

円丈愛犬落語第一弾！　おバカ犬が家族の絆を取り戻す（解説付き）

【あらすじ】
ある休日のことです。お母さんが北千住にお出かけしようとすると、玄関にモップのような、泥だらけの巨大な犬が座り込んでいました。びっくりして追い出そうとするものの、犬は家にあがり込んでしまいます。最初は疎んじていた家族ですが、人なつこい性格の犬に情が移り、いつしか犬は家族の一員となったのでした。しかしある日、犬が冷蔵庫にあった霜降り肉を食べた揚げ句にブランド物のバッグに粗相をしてしまい、怒り心頭のお父さんとお母さんは犬を追い出してしまいます。一週間が経って、犬が、バラバラだったみんなの心を結びつけてくれたことに思い至った三人は後悔し、必死に犬を探します。

【聴きどころ】
円丈師匠ならではの、犬を主人公にした創作落語です。突然にひょっこりあらわれた犬をはじめは仕方なく面倒みますが、三日も経つと情が移り、なくてはならない存在になってしまう家族の心の変化、そして失ってしまった時の悲しみが、笑いの中から伝わってきます。特に後半、犬と再会をする場面は、犬や動物を飼った経験のある人には、涙なしには聞けないのではないでしょうか（筆者も目が潤んでしまいました）。銀杏と藪椿は人間と動物の交流のシンボルとして描かれています。

【もうひと言】
大の犬好きで知られる円丈師匠。ホームページでは円丈師匠の可愛いわんちゃんたちの記録を見ることができます。趣味多彩な師匠、いろんな話題が満載です。もちろん新作落語の話題も。
http://enjoo.com/rakugo/

[収録：2009年2月25日　西新宿ハーモニックホール（東京）]

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