アクアの男

水族館もまたオタクの生息地だった

【あらすじ】
主人公の水族館オタク男は品川水族館に勤めるアクアガールの水田すみ子さんに恋をしています。水田さんの方はこのオタク男のことを徹底的に嫌っているのですが、彼はそんなことはまるで意に介さず、毎日水族館にやって来ては不気味なプレゼントを差し入れしたり、ウエットスーツを着て水槽の中で魚に餌をやっている水田さんをじっと見つめていたりします。あまりにも彼がしつこいので水田さんははっきりと彼とは付き合う気がないことを告げようとします。しかし、何といっても相手は常識の通じないオタク男ですから、普通に「あなたのことが嫌いです」と言ったぐらいでは、とても諦めてくれるとは思えません。そこで水田さんは一計を案じて……。

【聴きどころ】
小ゑん師匠の新作落語の魅力の一つに「マニア」という要素がありますが、水族館がマニアの対象になっていることを知っていた人はそうはいないでしょう。ちなみに小ゑん師の多彩な趣味の一つに熱帯魚飼育というものがあり、師自身も立派な水族館マニアです。そんな小ゑん師だからこそ作れた一席です。

【もうひと言】
小ゑん師匠のマニアぶりは水族館だけにとどまりません。鉄道のオタクとして『鉄の男』という代表作があり、『レプリカント』という噺ではコレクターの悲哀が見事に描かれています。どちらもラジオデイズで配信しておりますので、興味のある方はぜひどうぞ。

[収録：2008年10月11日　ライブカフェAgain（東京・武蔵小山）]

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