古典落語

稽古屋

価格：￥733

収録時間 :: 19:14
データ形式 :: MP3
データ容量 :: 17.6MB

提供元 :: 財団法人NHKサービスセンター
リリース日 :: 07年7月10日
カテゴリ :: 古典落語

かつての寄席の姿も分かる音曲噺

【あらすじ】
女にもてるためには隠し芸のひとつもできなけりゃと、ご隠居さんに唄を覚えるように言われた男、向こう横丁の師匠に弟子入りしたまではいいが、やさしい清元がなかなか覚えられない。節がつけられずにまるで台詞の棒読み。そこにいつもの稽古にやってきた頭（かしら）、少しは年季が入っているもののいつの間にか清元が祭の木遣りになってしまう。一方、男は「はじめてなんだから家に帰ったらこれでもって、物干しとか高いところで、声をふっ切る練習をしてくださいな」と言われ、その晩、屋根のてっぺんで稽古を始めた。「煙が立つ～」

【聴きどころ】
志ん生は唄が上手なことで知られ、ここでも頭の清元にだんだん木遣りが混じる様子を唄い分けています。今上天皇の養育係だった小泉信三はしばしば志ん生を自宅に呼び、俗曲「大津絵」を聞いて涙したというエピソードが残っています。

【もうひと言】
現在でも高座で噺を終えると「ひとつ、今の季節にふさわしい踊りをご覧に入れましょう」などと言って、下座の生演奏にあわせ一通り踊ることがあります。噺家が落語以外に清元などの唄や踊りができるのは当然で、客にそれを披露し、客もまたそれを楽しむという総合娯楽施設が寄席だったと言えるのです。

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プロフィール

五代目古今亭志ん生

落語家

1907年、橘家円喬に入門、10年に2代目三遊亭小円朝門下で朝太と名乗り、16年ごろ、三遊亭円菊の名で二ツ目に昇進、馬生門に移って24年に金原亭馬きんで真打ちに昇進した。その後、講釈師・3代目芦州門下に入るが、落語に戻って柳家三語楼門下となり、34年に7代目金原亭馬生を経て、39年に5代目古今亭志ん生を襲名した。持ちネタは「火焔太鼓」「らくだ」「三枚起請」「唐茄子屋政談」など豊富。壮年期までの貧乏生活経験が生んだ軽妙洒脱さと、生来の鋭い美意識が合わさった天衣無縫の芸風で絶大な人気を誇り、現在でも最も多く音源が発売されている、落語家の代名詞的存在。57年～63年まで落語協会会長。61年に脳出血で倒れ、68年以降は高座に出なかった。著書に自伝『なめくじ艦隊』『びんぼう自慢』がある。長男は10代目金原亭馬生（1928～82）、次男は古今亭志ん朝（1938～2001）。
本名・美濃部孝蔵。1890年、東京生まれ。1973年没、享年83。

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