恋する蛇女

少年が体験したヘビ女の恋の課外授業（解説付き）

【あらすじ】
青森県のとある田舎、小学生のたかしくんの家に東京のおばさんがやってきました。おばさんはたかしくんのお母さんのお姉さんで、ヘビ年生まれの42歳、ヘビの形のブーツを履いてヘビ柄の服に身を包み、グレープフルーツを丸呑みしてしまうという、ヘビ女のような強烈な個性の女性です。おばさんは東京で失恋するたびに青森にやってくるのです。おばさんはたかしくんが同じクラスのまゆみちゃんに恋をしているのを知って、可愛い甥っ子のため、これまでの42回の失恋で会得した恋の方程式を教えてあげます。レッスン１、タイミング。女の子がさびしそうにしているときに近づいて悩みを聞いてあげるのです。レッスン２、トーク術。何を話していいかわからないときは自分の夢を語るのです。翌日、たかしくんは学校の屋上でひとりさびしそうにため息をついているまゆみちゃんを見つけるのでした…。

【聴きどころ】
男に襲いかかってぐるぐると巻きついてしまうような怖い女、でも心根は優しい女性、そんなヘビおばさんのキャラクターが見事に表現されています。対するたかしくんは純朴な田舎の少年そのもの。両者のかけ合いに笑わせられながらも、どこかホッと心温まるものがあります。

【もうひと言】
楳図かずおの『へび女』、由紀さおりの『夜明けのスキャット』、チャールズ・ブロンソンのＣＭなど、昭和40年代のレトロなネタが、聴く者を小学生時代の淡い初恋の思い出に誘います。

[収録：2007年10月27日　お江戸日本橋亭]

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