古典落語
看板のピン
価格:¥550
一度は試してみたくなるトリッキーな手口
【あらすじ】
町内の若い衆が博打を打っているところへ隠居がやって来ました。隠居は若い衆を戒めながらも、一回きりという約束で彼らの博打に仲間入りすることになります。そこで胴を持つことになった隠居ですが、賽子を振ったところ、壺皿の中から賽子が表に転がり出てしまいました。しかもその賽子ははっきりとピン(一)の目が出ているのがありありと見えているというのに、隠居はそのことにまるで気がついていません。若い衆はこぞってピンに張りましたが、実はこの賽子は看板で、本当の賽子はちゃんと壺皿の中にあったのです。こうして隠居にやり込められてしまった若い衆たちは、これで反省するかというと、そんなことは全くなく、自分も同じことをしてやろうと他の賭場へ行き……。
【聴きどころ】
落語では賢い男がやったことを愚かな男がそのまま真似をして失敗するものを「鸚鵡」と言いますが、この『看板のピン』はその鸚鵡の典型の噺です。ただ他の鸚鵡の噺と違うのが、最初に賢い男がやった博打のトリックが非常に優れている点です。そこの部分だけ聞いても実に洒落た噺なのですが、その上にこの落語では意外な結末が待っているという、非常に構成力の高い作品となっています。
【もうひと言】
落語通の人からすれば『看板のピン』はあまりにも有名な噺なので、改めて若手の演じる『看板のピン』など聞くまでもないと考えるかもしれません。またこの演目自体が非常にトリッキーな構成になっているので、一度聞いてしまうと二度目以降は騙される快感がなくなってしまうと思う人もいるでしょう。しかし、遊雀師の『看板のピン』は作品の内容を凌駕するほどの遊雀的味付けが施してあるので、何度聞いても飽きない作りになっています。
[収録:2009年7月4日 文鳥舎(東京・三鷹)]
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プロフィール
三遊亭遊雀
1988年に柳家権太楼へ入門、前座名は「さん太」。91年に二つ目に昇進し「三太楼」と改名した。01年9月に真打昇進。06年10月に落語芸術協会の三遊亭小遊三門下へ移籍し、これを機に「三遊亭遊雀」と名乗る。「船徳」「明烏」「初天神」など、古典落語を中心に演じている。特に「初天神」で父に飴をねだる金坊のかわいらしさ、小憎らしさには定評がある。旅と乗り物を趣味とし、落語を楽しんでもらうためなら日本のどこへでも嬉々として出かけて行く。平成18年度国立演芸場主催「花形演芸大賞」金賞受賞。本名・畠山太郎、1965年、千葉県生まれ。落語芸術協会所属。
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このアーティストの作品(全26件)
試聴 | タイトル | 出演者名 | 価格 |
---|---|---|---|
堪忍袋(平成26年版) |
三遊亭遊雀 | ¥509 | |
反対俥 |
三遊亭遊雀 | ¥550 | |
湯屋番 |
三遊亭遊雀 | ¥733 | |
宗論 |
三遊亭遊雀 | ¥550 | |
看板のピン |
三遊亭遊雀 | ¥550 |
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