よるのてんやもの

おとなのてんやものは禁断の味（解説付き）

【あらすじ】
ある晩、ひとりで留守番している小学生のけんちゃんの家に友だちのよっちゃんが訪ねてきます。じつはよっちゃんは、家出してきたのです。ちかごろの不景気で両親が忙しくなり、かまってもらえなくなっていたよっちゃんは寂しいのです。お腹の空いた二人は、子供だけで「てんやもの」をとってみることにします。宅配ピザやお寿司のチラシに混じって「デリヘル・ミルクハウス」というチラシを見つけます。未知の食べ物「デリヘル」に興味津々のふたりが電話をかけてみると、先方と会話が微妙にかみ合わないながらも配達してくれることになりました。ふたりがわくわくしながら待っていると…。

【聴きどころ】
子供のころ「店屋物」を食べるのは、なんだか少し大人になった気分を味わわせてくれる、魅惑の体験でした。ところが背伸びして見る大人の世界はなかなかキビシイものです。その落差を笑いに変えた、ちょっと苦い味の新作落語かもしれません。純真ながら少し背伸びしたくなる年代の小学生が、鯉朝師匠のキャラクターにぴったり。

【もうひと言】
五代目春風亭柳昇一門、そして瀧川鯉昇一門と経験してきた噺家さんならではの、マクラで語られる楽屋ネタも楽しめます。とくに昔昔亭桃太郎師匠の噂は爆笑です。

[収録：2008年12月17日　お江戸日本橋亭（東京・三越前）]

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