古典落語
粗忽長屋
価格:¥550
マメでそそっかしい VS ズボラでそそっかしい
【あらすじ】
そそっかしい男。浅草観音の行き倒れを長屋のとなりに住む熊さんだと思い込み、あわてて戻ったところが、死んだはずの熊はピンピンしています。そんなことはお構いなしに、男は熊に「お前は死んだんだ」と言い聞かせ、行き倒れのところへと連れてもどります。熊は熊でこれまたそうとうのおっちょこちょいで、行き倒れの顔を検分するうちに、それが自分にちがいないと納得してしまうのでした。ふたりはなきがらを引き取ることにして運びはじめますが、ふと、熊のあたまには、ある疑問がわき起こるのでした。
【聴きどころ】
落語ではおなじみの粗忽者ですが、小円楽師も「マメでそそっかしいのとズボラでそそっかしいのがある」と指摘するように、登場人物ふたりの粗忽ぶりは対照的です。行き倒れを熊と間違えた男はうっかり者のあわてん坊で、いったんこうと思い込んだら、もはやきく耳もたないタイプ。一方の熊は終始ぼんやりとして、自分が死んだかどうかの判断すらつきません。そんなそそっかしさ二態をみごとに演じ分けたのが小円楽師。トントントンとリズムの良いはなしっぷりで、一気に聞かせる一席です。
【もうひと言】
「粗忽の釘」「粗忽大名」「粗忽の使者」……。“粗忽”を主題とする落語は数あれど、「粗忽長屋」ほどの粗忽者には、なかなかお目にかかれません。まさに粗忽の真骨頂ともいえる噺です。生きている人間を死んだと思ってしまうおなじ趣向の噺としては、ほかに「永代橋」があります。
[収録:2008年2月24日 イースト21亭(東京・東陽町)]
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プロフィール
三遊亭小円楽
1960年、東京都出身。都立北園高校卒業後、会社員を経て80年、三遊亭円楽に入門。前座名は「かつお」。83年、二ツ目、88年に3月真打昇進し、「小円楽」に改名。91年国立演芸場若手花形演芸会銀賞受賞。日本テレビ「笑点」や、江東ケーブルテレビの「見たい知りたい江東区」などに出演。お年寄りから若い人まで楽しんでいただけるようネタを増やすため、お江戸両国亭並びに自宅施設の稽古場「中山亭」にて勉強会を敢行中。趣味はテニス、ゴルフ、ゲートボール、シナリオライティング、スキー、映画鑑賞。長唄、サーカスや法事などの変わり種司会もこなす。出囃子は「外記猿」「奴の行列」。本名は江川喜光。
このアーティストの作品(全2件)
試聴 | タイトル | 出演者名 | 価格 |
---|---|---|---|
火焔太鼓 |
三遊亭小円楽 | ¥733 | |
粗忽長屋 |
三遊亭小円楽 | ¥550 |
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