古典落語

らくだ

価格：￥733

収録時間 :: 18:22
データ形式 :: MP3
データ容量 :: 16.8MB

提供元 :: 財団法人NHKサービスセンター
リリース日 :: 07年7月10日
カテゴリ :: 古典落語

下積みこそ逆転の力を持っている

【あらすじ】
お払いものを集めに来る屑屋から、町内のもてあまし者のらくだの野郎が死んだと聞かされ、一同やれやれと胸をなで下ろしたのもつかの間、らくだの兄弟分が「香典をよこせ、通夜に酒と煮〆を持ってこい、死人を入れる樽をよこせ」と無理難題。あんな乱暴者にくれてやるものはないと突っぱねると、大家の家に死人をかつぎこむ乱暴狼藉。町内の連中と実際に交渉するのはらくだの兄弟分に脅かされる屑屋。酒も樽も手に入れたんだからと仕事に行こうとするが、せしめた酒を勧められ、茶碗で一杯引っかけた……。

【聴きどころ】
この話の屑屋さんは、らくだの兄弟分の言いなりになっていますが、けっして卑屈ではありません。また、日頃自分を軽く見ている町内の連中がらくだの兄弟分を恐れているのをみて、内心せせら笑っているかもしれません。そして酒を飲み始めてからのどんでん返し。屑屋の変身ぶりの小気味よさを味わってください。

【もうひと言】
家庭で出る屑物をわずかな代金を払って引き取るのが屑屋さん。昭和の中頃まではリヤカーを引く姿が見られました。扱うものが屑なのでどうしても一段低く見られる商売ですが、いろんな家の裏口を知っているので町内の情報通でもあったようです。町内から香典を集められたのも、そんな日頃のつきあいがあったからでしょう。

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プロフィール

五代目古今亭志ん生

落語家

1907年、橘家円喬に入門、10年に2代目三遊亭小円朝門下で朝太と名乗り、16年ごろ、三遊亭円菊の名で二ツ目に昇進、馬生門に移って24年に金原亭馬きんで真打ちに昇進した。その後、講釈師・3代目芦州門下に入るが、落語に戻って柳家三語楼門下となり、34年に7代目金原亭馬生を経て、39年に5代目古今亭志ん生を襲名した。持ちネタは「火焔太鼓」「らくだ」「三枚起請」「唐茄子屋政談」など豊富。壮年期までの貧乏生活経験が生んだ軽妙洒脱さと、生来の鋭い美意識が合わさった天衣無縫の芸風で絶大な人気を誇り、現在でも最も多く音源が発売されている、落語家の代名詞的存在。57年～63年まで落語協会会長。61年に脳出血で倒れ、68年以降は高座に出なかった。著書に自伝『なめくじ艦隊』『びんぼう自慢』がある。長男は10代目金原亭馬生（1928～82）、次男は古今亭志ん朝（1938～2001）。
本名・美濃部孝蔵。1890年、東京生まれ。1973年没、享年83。

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