新・月のじゃがりこ

浪花の“闇金”男とホステスが織り成す一大ラブストーリー（解説付き）

【あらすじ】
日暮れ時の東京、雑居ビルの一室でものすごい勢いでスナック菓子“じゃがりこ”をかじっているひとりの男。田島は大阪で“闇金”をしていたのですが、資金に行きづまり、今じゃ落ちぶれて暴力団に命まで狙われている始末。そこに長年の愛人、ホステスの京子がやってきます。彼女にも200万円の借金がある田島は、その暴力団並みの取り立てを恐れ、あわてて児童公園のトイレに隠れます。しかし、ついに観念して京子の話を聞いているうちに、田島の心は徐々に震わされていくのでした…。

【聴きどころ】
円丈師は、強面ふうですが実は気の小さい田島としんのしっかりした情に篤い年増ホステスを見事に表現し、達者に駆使される大阪弁がふたりの掛け合いの滑稽を一層際立たせます。ロマンチックな下げの語りは純愛小説を読み終えたような余韻を味わわせてくれるでしょう。

【もうひと言】
従来の『月のじゃがりこ』が持つ緊張感を和らげ、聴きやすく直したものだそうです。

[収録：2008年2月28日　お江戸日本橋亭（東京・三越前）]

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