ジャズ息子

ジャズと義太夫の華麗なるコラボレーション（落語随談付き）

【あらすじ】
社長の一人息子はジャズ狂い。大学もろくすっぽ行かずにジャズばかり聴いています。ジャズにまったく理解のない父親が説教すると「ジャズは黒人の魂の叫びだ。お父さんの好きな義太夫みたいに、権力者の音楽とはちがうんだ」と二階に駆け上がってしまいました。頭に来た父親は気を静めようと見台を引っ張り出して義太夫の練習を始めます。父親は父親で義太夫狂いでしたから、興に乗ってくるとものすごいうなり声を発します。父親の義太夫に対抗して、二階では息子とその友人たちが口でジャズの各パートを演奏しはじめました。ついには義太夫とジャズが大音量で入り交じる大混乱の事態となってしまいます。

【聴きどころ】
口三味線ならぬ、息子が演奏するのは口トランペット。のみならずベース、サックス、ドラム、ボーカルまでが川柳師匠の口先ひとつでみごとに演じ分けられてしまいます。その上、父親の義太夫と三味線までが入り交じった盛大な異種格闘技的セッションは、なんといっても一番の見せ場です。義太夫から軍歌、ジャズまで、まさに川柳ワールド炸裂の音楽落語がご堪能いただけます。

【もうひと言】
昭和28年につくられたという、記念すべき川柳師匠の新作落語第一号が本作です。噺の中で演じられている義太夫は、継母が先妻の子に恋をするという「摂州合邦辻」の一節。またジャズは邦題が「聖者の行進」として知られる「When the Saints Go Marchin' In」であります。

［収録：2007年10月9日　文鳥舎（東京・三鷹）］

《携帯電話・スマートフォン（iPhone、Xperia等）、通信機能内蔵タブレット（iPad、GALAPAGOS等）、通信機能内蔵音楽プレーヤー（iPodTouch等）等へは「ダウンロード及び保存」はできません。お手数ですがパソコンでダウンロード後、お手持ちのデバイスへ同期頂き、お楽しみください。》