サラリーマン落語・井戸の茶碗

爆笑! 今様「井戸の茶碗」

【はじめに】
モロさんは、しばしば古典落語を現代のサラリーマンの世界に置き換え、換骨奪胎のなかに、どこか懐かしくも新しい笑いを創造しています。そこはかとなく悲哀の漂う背広姿で、所作も持ち物も「現代」です。スピード感と脱力感の緩急が絶妙のマクラのあと、上着を脱いだら噺の始まりです。

【あらすじ】
ある日、廃品回収業を営む清(キヨシ)は、電柱の陰から手をふる娘に呼びとめられ、食品卸しの会社を倒産させて貧窮している船場という老人から懇願されるままに、冷凍鰻の蒲焼きを買い取ります。ところがその後、清から鰻を買い取ってくれたスーパー高木商店で、鰻の袋に高級食材のカラスミが凍りついていたのがわかります。誠実な高木商店のオーナーは「鰻は買ったが、カラスミは買っていない」のでカラスミの売上金を船場に返すと言い、頑固一徹の船場は「鰻は売ったが、カラスミは売った覚えがない」ので代金は受け取れないと言い張ります。正直者の清は、この高潔な二人の間に入って、行ったり来たり……。

【聴きどころ】
お馴染みの「井戸の茶碗」の現代サラリーマン版です。お約束どおり主要人物はみんな善人ですが、千代田卜斎ならぬ船場の娘や、高木商店の店員・定吉が予想外の言動で楽しませてくれます。サゲに至るまで全篇をとおして古典落語ファンなら何度もニヤリとしてしまうこと請け合いですが、そうでない方も十分笑える展開になっています。



※この音源は、2011年10月に橘家文左衛門師匠の会「文左衛門倉庫」にゲスト出演したときに収録したものです。
写真提供：らくごカフェ青木様


【さらに……】
モロさんの歌声が、下記で聴けます。
「ベランダにて」（歌：モロ師岡、詞・曲：いとうたかお）
http://www.youtube.com/watch?v=rPHRrQkUfa0
http://itotakao.kustos.ac/topics.html

これは、シンガーソングライター・いとうたかおさんが
モロさんのイメージに合わせて作ってくれたもの。
「あしたはきっと」を作詞作曲された、あの「ペケ」さんですよ！
モロさんの味わいある歌声とギターの弾き語り、
なんとも癒される、しみじみフォークソングです。

◎いとうたかおさんホームページ
http://itotakao.kustos.ac/

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