給水塔の怪談

落語界のスティーヴン・キング！？

【あらすじ】
とある田舎の中学校。体育館の裏でクミコちゃんが、東京からの転校生キムラタクジロウ君の目に入った砂ぼこりをとってあげていました。ところがそれを偶然見かけたタケゾウ君は、ふたりがキスをしていると勘違いしてしまい、さっそく親友のヨシオ君に報告します。みんなの憧れのクミコちゃんを奪ったキムラ君が許せない二人。怖い話しが苦手なキムラ君を、キンタニ山の給水塔に幽霊が出るという噂を利用してやっつけようということに。ヨシオ君がキムラ君を誘い出して給水塔に行くと、幽霊に変装したタケゾウ君が脅かすという計画ですが、ハプニング続出、事態は思わぬ展開に。

【聴きどころ】
田舎の素朴な中学生ヨシオ君とタケゾウ君は東京に憧れているのですが、情報収集が「東京かわら版」だったり、修学旅行の時、マクドナルドでいなり寿司を注文したりと、ずっこけぶりが笑いを誘います。太ったタケゾウ君が幽霊に変装するため白装束を着てお化粧すると、なぜか「まつ子デラックス」さんになってしまいます。キンタニ山で繰り広げられるスピード感あるドタバタ劇が師匠らしいのですが、オチはちょっと怖くて背筋がひんやりします。恐怖が少年たちの連帯感を強めるという、子供時代の夏を思い出す怪談噺です。

【もうひと言】
夏の田舎町。給水塔に幽霊を見に行く少年たちの冒険。。夏の詩情あふれる趣は、モダン・ホラーの名手、スティーヴン・キングの代表作『IT』を思い起こさせます。

［収録：2010年7月10日　フジテレビ・マルチシアター（東京・台場）］

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