フイッ

〈フィッ〉は人間の基本的な感情か？　（解説付き）

【あらすじ】
スターワックスコーヒー店内。久しぶりに会った先輩とお茶を飲んでいると「最近おまえの会社景気どう、〈フィッ〉？」…どうも先輩の言葉じりがおかしいのです。「〈ラブ・イズ・オーバー〉を歌ったのは？」「オーヤン・フィフィフィッ！」……聞いてみると「おまえなんで〈フィッ〉を使ってないんだ？　病院にいった方がいいよ」と目をそらす先輩。店員にトイレの場所を聞くと「このつきあたりを曲がったところにございます〈フィッ〉」みんながおかしいのか、自分がおかしいのか……思い悩んで病院に行くと、先生は「あなた本当に知らないんですか？　喜怒哀楽、そして〈フィッ〉は人間の基本的な感情じゃないですか！　重症です。隔離しなければいけません」。そうだったのか、とがっくり肩を落とす主人公。でもまだその先に……。

【聴きどころ】
人の話を聞いていて、ちょっとした言葉の使い方がふと気になってしまう。そんなささいな瞬間から始まって日常からはずれたシュールな世界に足をつっこんでいく、筒井康隆あたりのSF小説を読んでいるような三遊亭円丈さんの作品です。小ゑん師匠の畳みかけるような話しぶりがシュールさを際立たせます。

【もうひと言】
〈フィッ〉のほかにも〈あばらかべっそん〉など意味不明の言葉が出てきます。桂文楽ファンだったら思わずにやり。

〔収録：2007年5月18日　東京・Again〕

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