青木真兵×平川克美「ちょうど良さの人生論」

「ちょうど良さ」は、どこにあるのか

奈良県東吉野村というの山あいで人文系私設図書館「ルチャ・リブロ」を営む研究者でもある青木真兵さん。
前回は村と街という環境が異なりながらも、人が生きていく上で必要な現代の「アジール」や「コモン」のあり方について語り合った二人。
今回はその話の中でも出てきた「ちょうど良さ」ととも生きていくためには？　をテーマに二人で語り合います。

普段から「ちょうど良さ」の重要性を感じている二人。
都市社会と村社会、ビジネスと文学、精神と身体、合理性と非合理性、環境や条件は違えど理想と現実の中で人が生きていくことはとても大変です。その引き裂かれた二つを架橋する「ちょうど良さ」を実現するにはどうしたらいいのか。
青木さんの言う「誰もができるだけ我慢や嫌な思いをせずに、希望に沿った暮らしができる「ケアフルな状態」」、また平川克美が常々言う「程々がいいんだよ」というその意味について深く考えていきます。

=青木真兵さんよりメッセージ=

「「ちょうどよい」生活がしたいと思っています。
ぼくの言う「ちょうどよい」とは、誰もができるだけ我慢や嫌な思いをせずに、希望に沿った暮らしができる「ケアフルな状態」のことです。そんな理想的なことなんてあるわけがない。みんな我慢をして働いたり、嫌なことに耐えているからこそ、社会は回っているのだ。そんなふうに「大人たち」は言うかもしれません。でもそれは本当でしょうか。
どうすれば「ちょうどよさ」とともに生きていくことができるのでしょうか。ぼくはこんなことを考えながら、奈良県の山村で自宅を人文系私設図書館ルチャ・リブロとして開いて夫婦で活動したり、就労支援の仕事をしています。あとはプロレスを見たり、「男はつらいよ」を何度も見たり。ということで、この「ちょうどよさ」について平川さんにいろいろ聞いてみよう！　というトークイベントです。」

・夢と生活の両立
・青木真兵、はじめて成瀬巳喜男を観る
・成瀬映画における豊かさ
・近代化のイノベーションは人間の原基を弱めていく
・成瀬巳喜男の映画を地続きに感じられる時代
・「リアル」なものは古びない
・浦山桐郎「キューポラのある街」について
・戦後の共産党と労働組合の関係
・新自由主義からポピュリズムへの流れ
・中間的組織が失われていく
・青木真兵にとっての社会の原風景
・成瀬映画は清貧を描いている
・生活力を再びインソースする
・山田洋次「キネマの神様」のこと
・映画のロケハンと映画作家の土着性
・職人作家・小関智弘について

【質疑応答】
・ゴジラ映画は世相を反映させているのか
・今後の中間的組織の展望
・社会運動をする若者について

などなど

※ この番組は2023年11月23日に隣町珈琲にて収録しました。

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