田中宇の「ニュースの裏側」第28回（2013年8月号）

シリア爆撃か！揺れ動くアラブ情勢

アメリカ、オバマ大統領はシリア政府軍が化学兵器を使用したという理由によって、シリアの国民を守るためにイギリス、フランスとともに空爆を行うと発表した。しかし、イギリス議会はこの提案を否決し、アメリカが単独で空爆に踏み切るのか、それとも様子見に転じるのか予断を許さない状況になっている。

アメリカが焦る理由の一つは、国連決議をすれば中ロの反対が目に見えており、現在現地査察を終えた調査団の発表を待てば、そこに政府軍による化学兵器の使用の証拠があるとは限らないからである。

そもそも、強力な武器を持つシリア政府軍が、この段階で化学兵器を使用する積極的な理由は希薄であり、むしろ傭兵を中心とした反政府軍が使用したと考える方が合理的であると田中氏は見ている。イタリア、ドイツも空爆には消極的になっており、国連で対応すべきだという方向へむかっているが、はたしてアメリカの同盟国である日本はどうするのか。

シリア情勢に加えてエジプト、サウジ、イスラエルをめぐる中東政治の混迷をどのように読むべきか、田中分析が光る。また、シリア情勢と無関係のように見えて、深く結びついているTPP交渉についても、語られている。重要かつ緊急のニュースの裏側を是非お聴きください。

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