近内悠太の「ケアと利他、ときどきアナキズム」第3回

第3回「ケアと信頼、そして可傷性」

『世界は贈与でできている――資本主義の「すきま」を埋める倫理学』の著者であり教育者・哲学研究者である近内悠太さんの講座が始まります！
隣町のイベントで人が生きていく上で欠かせない「贈与」とりわけ「ケア」の必要性を語られた近内さん。
今回はさらに広く深く「ケアを拡げる」をテーマに各回ご講義いただきます。
曖昧でなかなかつかみどころのなく、専門家がなす事と捉えられがちな「ケア」という概念。
贈与、利他、エンパシー、そしてアナキズムへ。現代の人間が生きていく上で必要不可欠な「ケア」という概念を明らかにするとともに、「ケア」が持つ可能性にまで迫る意欲的な講座。皆様と一緒に迫っていきます。

〈講師からの本講座についてのコメント〉
＜ケア＞を拡げる。 これは、ケアの実践を多くの人々が実際に行なっていく＝拡げるということでもあり、同時に＜ケア＞という概念自体を拡げていくという意味でもあります。ケアは、専門家だけが為すものではなく、もっと身近にあって、僕らの生に不可欠な人類学的営みだと思っています。 そんな＜ケア＞という概念を拡げることで、僕らが自然と助け合えるアナキズムへと接続するはずです。

第3回のテーマは「ケアと信頼、そして可傷性」
信頼はどのようにして発生するのか？　信頼が人と人を繋ぎあわせる紐帯であるならば、そこにはケア的な何かがあるはずです。また、信頼概念を紹介しながら、偽善と利他の関係性についても考えてみたいと思います。


・グローバルファンドの馬渕俊介さんの祝辞から知るケアの事例
・人形を無くした女の子へ手紙を書き続けたカフカの姿勢
・現代社会において適合せずバグを起こす脳の構造
・不確実性の上に築かれる信頼が心的治療には必要という現実
・ケアをする時に必要なある種の「無関心」
・利他とシステムの関係性
・大切な人がいるということとその可傷性について
・利他と贈与を阻む「人権」という概念
・「偽善」とはそもそもなんなのか？
・利他とセレンディピティとの関係

［質問コーナー］
・利他と利他的なるものとの違いとは？
・利他と利己の対立について


※ 本音源は2023年4月27日に収録したものを編集しております。

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