渡辺祐真／スケザネの「現代文学」から考える「世界」と「言葉」～作品の読み方から感想の書き方まで～　第五回（セット）

小佐野彈『ビギナーズ家族』を読む

書評家・スケザネさんによる書評講座！
著書『物語のカギ』（笠間書院、2022年）では「物語」を読む楽しみ、そのためのキーワードを幅広い層に向けて書き、現在、毎日新聞文芸時評やTBSラジオ「こねくと」のレギュラーも担当されているスケザネさん。
この講座では、今まさに生まれている小説や詩歌を毎回一つ取り上げ、スケザネさんによる丁寧な読解の提示、またその作品の感想を書く、相手に伝えるときのカギを教えていただきます！
第五回目に取り上げる作品は、スケザネさんも太鼓判を押す作品、小佐野彈さんの『ビギナーズ家族』です。

=講師・スケザネさんからのコメント=
今回は、小佐野彈『ビギナーズ家族』を扱います。
歌人・小説家である著者の初のエンタメ小説。
男性の同性カップルが養子を引き取り、名門の私立小学校受験を目指すという物語です。
もちろん同性カップルだからこそ直面する問題も扱われていますが、
それ以上に、家族とは何かという普遍的なテーマが深く描かれている点が見逃せません。
今年イチオシの小説です。ぜひ一緒に味わいましょう！

・ストーリーテリング・物語の展開で魅せる作品
・歌人でありながら、小説家でもある作家は多くない
・歌人・小説家　小佐野彈の経歴
・作家のパーソナリティに引きづられて作品を読むのはもったいない
・文学をどう読むかが、学問的に研究された２０世紀
・大学における文学研究の歴史
・作品を「楽譜」、読む行為を「演奏」と捉える
・作者と作品の繋がりをどう考えるか／作家論とテクスト論
・短歌では作者のパーソナリティを踏まえて読んだ方がいいことが多い
・『ビギナーズ家族』の前に歌集『メタリック』『銀河一族』を読む
・歌人・小佐野彈が多用する「鬼」という言葉
・多様な短歌の読み／読みが定まる短歌と読みが定まらない短歌
・『ビギナーズ家族』の創作過程とあらすじ
・「小学校受験」と「養子の引き取り」の作品における重要性
・同性愛などの特殊性と家族の普遍性
・親子の関係は、根っこのところでは自分の体験でしか物を言えない

などなど

【参考文献】
・小佐野彈『ビギナーズ家族』（小学館、2023）
・渡辺祐真／スケザネ「家族を家族たらしめているもの」（小佐野彈『ビギナーズ家族』書評、https://shosetsu-maru.com/review/oshiteke/36）
・小佐野彈『メタリック』（短歌研究社、2018年）
・小佐野彈『銀河一族』（短歌研究社、2021年）

※ 本音源は2023年7月15日に収録したものを編集しております。
※付属のPDFは音源と併せてご覧ください。

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