2　林立夫の世界（4）

YMOはもみ上げを剃っていなかったかも？

　日本ポップスの数多くのレコーディングに参加しているドラマーにしてプロデューサー、林立夫さんのMusic Talk第四回をお届けします。ボーカリスト不在のキャラメル・ママが、ティンパン・アレーとしてプロデュース活動に重心を移していったのが前回まで。
　細野流のバンド名変更癖からキャラメル・ママはティンパン・アレーと改名、数々のアーティストのプロデュースを手がけます。リズム・パート録音中はひたすら編み物に興じていた雪村いづみ、そもそもスタジオに現れなかったいしだあゆみなど、いくつかのエピソードが紹介された後、ついにインタビューは松任谷由実の話題へ。すべてが評価されたというわけではないティンパンの活動の中で、いちばん売れたのがユーミンだったと林さんは回想します。
　やがて話は細野晴臣のエキゾチック・サウンドを経てYMOへ。細野晴臣の構想の中では、YMOは当初、高橋幸宏・坂本龍一ではなく、林立夫・佐藤博という可能性もあり得たことが明らかになります。もしそうだったら「YMOはもみ上げを剃っていなかっただろう」という林さんの意味深な発言は、インタビュアーの北中さんを「なるほど」とうなずかせます。
　ティンパンの活動後はスタジオ・ミュージシャンとして腕をふるった林さん。それはプロデューサーになるための勉強だったことを明らかにして、インタビューは次回へと続きます。

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