澤田哲生×モーリー・ロバートソン「ラジオの街で逢いましょうプラス１」

原発論議、日本に理屈を閉じ込めないで対話を進めよう

　プラスワンでは、UST中継を配信し、ソーシャル・ストリームに寄せられたツイートを交えながら、同じ震災状況において女川原発がクリアできたことと福島原発ができなかったことの比較の視点、世論に広がった混乱や対立・対話をガバナンスや社会の信頼の問題を含めてモーリー氏と対話。
　モーリー氏曰く、日本人は原発を扱える精神的成熟があるのかと発言。一方、人類活動の持っている負の部分、人間の営みにつきもののゴミは放射能だけなのか、と澤田先生。日本がスモッグに覆われた空を悲しく見上げて原発を選んでから40年、今度は見えない放射能に包まれた今、ここから変化していくシナリオをどう描くのか、その絵面や危機管理のフレームワークを国民が対話することで形成していかなくてはと提言。
　さて、放射能はボーダーレス。日本が脱原発しても、お隣の韓国・中国・モンゴル・アジア各地で国家戦略としての原発ビジネスは進んでいきます。最終処分場の問題も含め、国内から国外へのリスクのつけかえだけでよいのか、原発をやめて天然ガスをまた発掘するのか、その地球への傷も問題になっています。石油由来のプラスチックが分子状になり、テキサス州以上の広大さで太平洋に漂い、海洋生物がそれを食べて死んでいる状態はどう考えるのか。
　これらの問題の根本はどうやら同じように感じますが、そこまで私たちの意識は届かず、議論は進んでいません。日本国内に理屈を閉じ込めず、一種の哲学を持って世界を俯瞰しながら自分で考えて生きて行くことが大切かもしれない。不安を乗り越え、感情的に終わらない大人の対話を成熟させていく必要を感じた収録となりました。ぜひお聴きください。


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