平山夢明の「ヤリボンこきまSHOW！」with本谷有希子（上）

おもてなしの心？

世界一陽気なホラー作家・平山夢明の、寝入りばなの悪夢のような？連続対談。
毎回、平山先生と濃くて深い交友のあるゲストをお迎えして、
ときに熱く、ときにけだるく、じっくり語らいます。
タイトルの「ヤリボン」は「ぼんやり」のアナグラムだそうです。
「聴く人にもぼんやりしてもらおう」とは平山先生の言。
なにより画期的なのは「出演者も敢えてぼんやりする！」との宣言です。



今回のゲストは、劇団、本谷有希子主宰、脚本に、演出に、演技に、
さらに小説家としても活躍される、本谷有希子さんです。
平山さんとは、大藪春彦賞受賞作『ダイナー』に帯を書いてくれた仲です。
「平山さんの、人として間違ってるところが好きです。」って素敵。

まずは、いまや定番となった〆切話から。創作者どうしですからね。
この日、迫りくる複数の〆切を背に「ヤリボン」出演の平山さんは
〆切に追われる苦悩を手を変え品を変え、言葉を尽くして表現します。
「苦し紛れのアイデアはシリカゲルのような……」

小説や脚本を書く苦しい作業、産みの苦しみに、
作家どうしの共感と模索の対話が続きます。
構成、テーマ、書きたいことと求められるものとのズレ。
今回はいつもとちょっと様子が違いますよ。
二人に足りないものは「おもてなしの心」らしい？

で、実生活でも「おもてなしの心」がないらしい平山さん、
ウォシュレットの水圧の強さで家族関係がわかるという話題に移行。
本谷さん相手なら下ネタにはいかないはずだったのに
やっぱりいきました。どんどん話は深まっていきます。
本谷さんの小説では、ウォシュレットが怖い女性が登場。

話は「怖い」つながりで日常に潜む恐怖に移ります。
あんな恐怖、こんな恐怖が語られるなかで、
ふたりの個性ある潔癖さ、繊細な感性が炙り出されていきます。
もちろん、大笑いしながら、ですが……。



■平山夢明の「ヤリボンこきまSHOW!」は、毎月第2金曜・第3金曜に配信します。
次回の本谷有希子（下）は、第3金曜です。どうぞおたのしみに！

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