小田嶋隆のグラフィカルトーク8

カップルの襲来から町を守れ

　たくさんのクレーンが並ぶ大規模な工事現場。ここは新東京タワー（東京スカイツリー）の建設予定地です。高い建物が好きな小田嶋さんは、早速自転車で見物に。空に向かってどんどん育つタワーの様子を、毎月ここで定点観測しようと決意しました。場所は東東京の下町、業平橋。まだ近隣住民がタワー建設に浮かれていない様子を、小田嶋さんは好ましく受け取っています。
　タワーといえば夜景。その夜景とセットで想定されている、チャラチャラした世界が小田嶋さんは大嫌いです。何より不愉快なのは、カップルたちが来ること。以前しばしば利用していたイタリア料理店がメディアで紹介されて「カップルの来る店」となり、子供を連れて行けない店になった悲劇を苦々しく回想します。
　カップルはお互いに見得を張るので客単価が高い。調子に乗った店は照明を落とし気味にして彼らにおもねる。「東京でデートがしたい人々は、みんな六本木に集めてくれ」というのが、おじさんの切なる願いなのです。 　

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