ゴーゴリ「外套」（全巻セット）

【朗読】　入船亭扇辰　(落語家)
【原作】　ニコライ･ゴーゴリ　(小説家)
【翻訳】　浦雅春　(ロシア文学研究者)

【あらすじ】
　アカーキー・アカーキエヴィチはあるお役所の万年九等官。文章の清書を職務として、ごくごく平凡な毎日を送っておりました。ところがペテルブルグに寒さが訪れるころ、彼はからだに痛いほどの冷たさを感じます。それもそのはず、その外套はぺらぺらにすり切れて、紙のように薄くなっていたのです。アカーキー・アカーキエヴィチはツギを当ててもらおうと、仕立屋のペトローヴィチの元を訪れます。しかしペトローヴィチが言うには、この外套はツギ布を縫いつける場所さえなく、もはや新調するしかすべはないとのことでした。そしてペトローヴィチがふっかけた金額が150ルーブル。それは下級役人アカーキー・アカーキエヴィチを驚愕させるには、十分の金額なのでありました。

【聴きどころ】
ゴーゴリの名作「外套」を、噺家の語りで楽しもうという大胆な試みのスタートです。字を書くことだけが喜びのアカーキー・アカーキエヴィチ。服装には無頓着、通りを歩けばみごとにゴミを頭からかぶってしまうという、そのつつましくも情けない彼の生活が、まずはじっくりと語られています。そして、そのなんの変化もないはずの彼の日常に訪れるのが、タイトルにもなっている「外套」の問題。ふってわいた災難に揺れる主人公アカーキー・アカーキエヴィチの気弱なこころを、扇辰師は、おどおどとした口調をもちいて巧みに演出してみせます。。


この作品は光文社古典新訳文庫『鼻／外套／査察官』からの朗読と翻訳者自身によるエッジの立った解説付です。

[収録：2008年2月16日　文鳥舎（東京・三鷹）]

《携帯電話・スマートフォン（iPhone、Xperia等）、通信機能内蔵タブレット（iPad、GALAPAGOS等）、通信機能内蔵音楽プレーヤー（iPodTouch等）等へは「ダウンロード及び保存」はできません。お手数ですがパソコンでダウンロード後、お手持ちのデバイスへ同期頂き、お楽しみください。なお一部（聞く教科書・聞く聖書）DRM付きWMA音源がございますが、DRM対応の携帯音楽プレーヤー以外では再生できません。》