「こころカフェ」season4 第3回―緊張・こわばり―（全巻セット）

緊張は身体の歴史に深く刻印されている

人間の深奥を探求する精神科医・名越康文先生の連続講座、
これまで、心の位相、心の病、認知の問題と考えてきた「こころカフェ」、
今期のテーマは、ズバリ、〝身体〟です。
頭と、心と、身体は、なかなかに統合しにくく御しにくいもの、
season4では、折り合えない人間の全体を、身体性から考察します。

心を解きほぐしながら、いまここに処していく、
名越心理学の講座ライブの音源です。



さて、第3回めのテーマは〝こわばり・緊張〟です。

この日の名越先生は最初に、どうしても構えてしまう相手との例を挙げました。
その人の前に行くと、思いがけない緊張に捕われるのです。
後に名越先生は、それが敵わないと思っていた父親の姿と重なることに気づきます。

「こわばりというのは、自分の身体の歴史に深く刻まれていることがあるんです。生い立ち論は有効ではあるけれど、身体とそれまでの歴史が響き合うことを、いまの身体をみれば見て取れるのです」

しかし、精神は「身体が喜んでいる、リラックスしている」というふうに嘘をつくのです。
精神と身体は本来はひとつなのですからそのことに気付いていく必要があるのです。

「身体は人間を混乱させる、それは混沌で、絶えず頭で整合性をとっても、身体がそれをシャッフルして、生きていくためのほんとうのノウハウを教えるのです。
身体をできるだけフリーズさせて、頭で状況を判断しようと必死になっているとき。身体は変化につぐ変化をとげるものなのにね」

人間の身体は麻痺することによって集中を得るのだそうです。
トータルな自分を知ることで、日々が違ってきそうです。


後半は、質問にお答えする時間。
今までにないほどの質問が出てきました。
どなたにも参考になる、拡がりのある時間になりました。

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