「月刊 中島新聞」2013-12月号 / 國分功一郎さんと （全巻セット）

秘密保護法と民主主義：國分功一郎さんと

最近の大手メディアは、「わかりやすさ」と「単純化」の区別がつかなくなっています。複雑な問題を「ＹＥＳかＮＯか」「賛成か反対か」といった二分法に還元し、「スピード感」を演出することで拙速に答えを出そうとしています。

「月刊 中島新聞」では、「単純化」と「スピード感」に徹底的に抗いたいと思っています。
敵を見つけバッシングし、あっという間に忘れてしまう現代に、異なる視点を導入したいと思っています。

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今回のゲストは國分功一郎さん。
テーマは「秘密保護法と民主主義」。

國分さんは小平市の道路計画をめぐる住民投票運動にコミットし、その経験から近代政治哲学の欠陥に迫った『来るべき民主主義』を上梓しました。
そこで指摘された問題は、主権者たる民衆が実際の政治決定過程からはじかれているという点でした。

私たちは立法府を構成する議員を選挙で選ぶことが出来ます。
建前では、立法府こそがすべてを決定していることになっており、行政は決められたことを粛々と執行する機関とされます。しかし、「行政は執行する以上に、物事を決めて」います。結果、国民の主権は決定プロセスに届かず、民主主義から疎外されることになってしまっています。

この問題は、秘密保護法によってさらに深刻化します。これからは行政が秘密の範囲を指定することに依って国会や国民の権利を制限することになります。国会議員は、行政の様々な情報にアクセスすることが出来なくなり、国政調査権も制限されます。

國分さんが指摘した民主主義の構造的問題は、ＴＰＰや解釈改憲などによっても加速します。安倍政権は、民主主義を摩耗させようとしているように見えます。

番組では、秘密保護法の問題をじっくり論じると共に、近代デモクラシーの構造的欠陥の問題に迫りました。

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